~めぐりあうアポとハルモニ~

私たちは、知らなくてはいけないことがたくさんあります。
知らなくてはいけないのに、知る機会・知る勇気・知るタイミングが合わないことが……。
日本軍戦時性暴力・性奴隷制度は、とくにそんな人が多いのではないでしょうか。

ゆる・ふぇみカフェでは、過去にも日本軍戦時性暴力・性奴隷制度を取りあげてきました。
アポ、ハルモニとは中国・海南島と朝鮮半島でそれぞれ「おばあちゃん」を呼ぶ言葉です。
日本軍の被害にあった時女の子だった人たちが、おばあちゃんになった時、世の中にも彼女たちにも、とても大きな変化が起きました。

今回のゆる・ふぇみカフェはアポとハルモニが登場する、ドキュメンタリー映画(「アポの四季」、「ガムディア 海南阿婆」)と、朗読(絵本「花ばぁば」)の夜を開催します。

出会って、私たちはその先、何をすることができるのだろうか?
まずはその扉を開いてみませんか、知るタイミングをゆる・ふぇみカフェと共に。

◆日時:2021年2月13日(土) 19:30-21:00

◆開催形態:会場(田原町の書店 Readin’ Writin’)、オンライン併用

※オンライン参加の方には、お申し込みいただいたメールアドレス宛に当日開始時刻までにYouTubeのURLをお送りいたします。
※会場においでになる方は事前の検温、マスク着用をお願いいたします。
 会場参加は、定員に達したためチケットの販売を停止いたしました。
※オンラインでは、UDトークなどを使ったノートテイクを提供いたします。必要な方はお問い合わせください。

◆参加費

一般                   1500円(会場・オンライン共通)
学生、ふぇみ・ゼミ寄付者、ふぇみ・ゼミ生 1000円(会場・オンライン共通)
ゆる・ふぇみマガジンご購入        1500円(送料込、イベント終了後5日以内にご指定の住所宛発送いたします)
 ※「アポの四季」の解説及びハイナンネットメンバーの中村藍さんのエッセイが掲載されたミニコミ誌です。
ゆる・ふぇみマガジンご購入(送料込)+配信参加セット券 3000円
 ※会場参加される方は会場でもマガジンをご購入いただけます。

◆プログラム

・〈上映〉ドキュメンタリー映画「アポの四季」
・監督 米田麻衣さんトーク
・米田さん新作「ガムディア 海南阿婆」紹介                 
・〈朗読〉みょんふぁさん 絵本「花ばぁば」
・〈アフタートーク〉ジョン・ユンソ(鄭允瑞)さん × 石田凌太さん、司会:村田佐希子さん

◆映画紹介(米田麻衣)

・「アポの四季」 2015年 20分 中国語・日本語・リンガオ語

毎年2月になると、中国のお正月、春節の日にはいつも、一人で年越ししていたあぽの事を思い出す。
あぽ(阿婆)は、中国語でおばあちゃん。中国最南端の島、海南島に住む王玉開あぽの生活を撮りためた映像をまとめたのが、この「あぽの四季」です。

映像の最後のシーンは春節の日で終わります。
中国のほとんどの家 では、日本のお正月と同じように家族がみんな集まり、お正月のご馳走を囲み、爆竹を鳴らしてとても賑やかに過ごす。
でも王玉開あぽは毎年、一人静かに年越ししてきた。どうして一人なの?
その答えは、実は日本と関係があります。

映像の最初のシーンは、あぽの笑顔で始まります。
あぽはこんなふうに笑ったり、時には怒ったり、泣いたりして、90年近い人生の一瞬一瞬を生きてきました。
そんなあぽの人生が、あぽの存在が消えないように、無かったものにされないように、この作品をつくりました。

・「ガムディア 海南阿婆」 2021年 ダイジェスト5分 中国語・日本語・黎語・苗語
太平洋戦争中に海南島で日本軍による性暴力を受けた女性たちは数知れない。彼女たちの出身地域は海南島現地のみならず、中国大陸、香港、台湾、朝鮮半島にまで及ぶが、その存在を知る人は少ない。被害を生き延びた女性たちの多くは戦後も被害を受けたその場所で、偏見と蔑みに耐え生きてきた。

2001年に海南島の女性たち8名が立ち上がり、日本政府に謝罪と賠償を求める裁判を起こした。原告の阿婆(あぽ。おばあちゃんの意)が提訴して20年目の今年、彼女たちの闘いと、その闘いを支えた人々を思い起こしたい。それは今を生きる私達の問題と地続きだ。

◆絵本紹介

『花ばぁば』 2018年 クォン・ユンドク・著、桑畑優香・訳
韓国の絵本界を牽引してきたクォン・ユンドクの代表作を日本語訳。
元日本軍「慰安婦」の証言をもとに、「花ばぁば」の物語が韓国伝統美術の技術を駆使した美しい絵とともに描かれます。

◆登壇者・ゲストプロフィール

米田麻衣
ハイナンNET(中国海南島・日本軍戦時性暴力被害者の声を伝えるネットワーク)メンバー。
大学生の頃に戦後補償運動とジェンダーに興味を持ち、同年代の若いメンバーが集まるハイナンNETの活動に参加。当時の主な活動は「最後のイアンフ裁判」とも呼ばれていた、海南島戦時性暴力被害の裁判支援だった。裁判のために来日した原告の、黎族のあぽと東京で出会った。あぽが東京の裁判所で勇敢に自分の被害の証言をする姿に衝撃を受け、証言後に「海南島に遊びにおいで」というあぽの笑顔に惹かれ、2009年に初めて海南島のあぽ達を訪れ定期的に交流していた。2021年にはあぽ達の裁判をテーマに新作映像を制作している。

みょんふぁ
女優/司会/通訳/翻訳家/日韓公演プロデュース。
劇団そとばこまち、ユニークポイントを経て現在フリー。
2014年度文化庁在外研修で韓国国立劇団にて韓国デビュー。
2017年第9回小田島雄志翻訳戯曲賞授賞。
桟敷童子や流山児事務所など、女優として年間約6本の舞台に立ち、一人芝居や自身のプロデュース公演も行い、日本国内のみならず、日韓合作の舞台や映画でも活躍中。
2020年9月ゆうばり国際映画祭にて出演作品「湖底の空」がグランプリ受賞。

ジョン・ユンソ(鄭允瑞)
日本留学3年目の韓国人。現在は早稲田大学文学部で社会学を勉強している。日本に来る前は、韓国で子どもの権利に関する運動をしていた。子どもの参政権や学校外子ども(自主退学した子ども)の権利などの問題などに触れていた。大学に入ってからは、1年生のときに取った授業をきっかけに、「ふぇみ・ゼミ」や「希望のタネ基金」などでフェミニズム、日本軍戦時性暴力問題解決運動などに関わってきた。そして最近は日韓のフェミニストたちが言語の障壁を超えてコミュニケーションできるように努めたいと思っており、日韓フェミニスト交流プロジェクト「ff:us」というプロジェクトを企画し、主催している。

石田凌太
東京外国語大学国際社会学部4年。ゼミでは、クィア・スタディーズに興味を持っていたことからジェンダー論を専攻。指導教員の紹介で、日本軍「慰安婦」問題を学ぶ「キボタネ若者ツアー」に参加し、この問題に関心を持つように。戦時性暴力にかんする研究とともに、社会運動についても勉強中。

村田佐希子
東京外国語大学博士前期課程在学中。中学生の時にk-popを好きになり、大学で朝鮮語を専攻。大学3年に韓国・釜山に留学したことをきっかけに日本軍「慰安婦」問題を関心をもち、勉強を始める。現在は日本軍「慰安婦」問題の他にも、様々なジェンダーに基づく差別問題や日韓交流、歴史についても関心を持ち、勉強中。

◆主催 熱田敬子&ゆる・ふぇみカフェ
◆共催 ふぇみ・ゼミ
◆お問い合わせ yurufemi@gmail.com